子供の気持ちと親の都合

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先週保育園にお迎えに行ったときのこと。

ちょうど玄関に入ったところで、同じクラスの男の子(A君)とママが帰るところに
行き会わせた。

ところがこのA君、もっと遊ぶ!と泣き叫びながら廊下に転がっている。

クラスの担当保育士がなだめるためか一緒にいてしゃがんで子供に声をかけ、
A君のママは途方に暮れてそれを眺めている。

普段お迎えで、保育士が玄関まで見送ってくれることはまずない。
A君のママがまだ小さい赤ちゃんを連れているから
一緒に下りてきてくれたのだろう。この様子だと
玄関に来るだけでもかなり大変だったに違いない。

「帰りたがらないんですよ」と、通路をふさいで暴れていることを
すまなそうにしているママに、「うちもいつもそうですよ」と答えながら、
A君をまたいでタイムカードに刻印し、さようならと挨拶して上の階に上がる。

あそこまで暴れないまでもホント、うちもよくあるんだよね。わかるわかる。
Qたろも、数ヶ月前までは迎えに行くと「もっと遊ぶ!」と遊んでいる途中の
おもちゃを話さず、はては「お母さん来ないで!」とまで・・・

もっと遊ぶはともかく、いつもお母さんじゃなきゃイヤが
口癖なのにこの物言いはどーよ。おもちゃに負けるハハ(ーー;)
他の子供達は、保護者が迎えに来た姿をみつけると一様に駆け寄っていく姿が
一般的な中・・・やりきれませんわ。

3歳児の思考回路を推し量るのは難しいけど
「今やってることは中断されたくないんだよオレ」というかんじで
よく言えば集中力があるとも言えるけど、とにかく執着心が強い。

保育園に限らず、帰りたくない・もっと遊びたい!と子供がじたばたしたときの
対応方法として私が毎日やってきたこと。
まずは気持ちの区切りがつけられそうなところを見定めて提案する。
そこまでやったら帰ろうね、と約束して、それに従わせるようにしている。

気持ちの区切りがつけられそうなところっていうのが難しいけど、
たとえば絵本を読んでいるときなら最後まで読んでも良しとするとか、
線路の上で電車を走らせるのに夢中なら1周して駅に到着するまでとか。
あるいは片付けに夢中なら最後まで片付けさせる、などなど。
ただし、それにつきあうのは結構根気も時間も必要になる。

そんなことしてたら買い物してご飯作るのが間に合わない!キー!
となるような気持ちをいかに平常心に保ちつつ、子供が「お母さんいらない」とか
暴言を吐いても怒らずに。平常心平常心。

ああ、保護者ってツライわ。

この「日常生活をまっとうする」ことと「子供の気持ちを尊重する」
ことの狭間で、親はいつも葛藤を強いられることになる。

最初の頃は約束したこと以上にもっと遊びたいと主張することも度々、
そんなときは有無も言わさず抱き上げ、にっこりと皆さんに挨拶して
どんなに暴れても泣いても連れて帰る。こんなことが何度か続いた
そののち・・・

だんだんと、「約束だよね」というと、素直に従うようになってきた。
Qたろなりに「がまん」ができるようになり、気持ちに「折り合い」が
つけられるようになったのだと思う。

子供が今こだわっていることって、きっと彼らにとっては「一生の問題」ぐらい
大きなことなのだ。だからそれに「同意」してあげて、まずは気持ちを受け入れる。
受け入れてもらえたという安心感があれば、「約束」に結びつけられるようになり
そして「親の都合に合わせる」ように「がまん」ができるようになり
お互いの「譲歩」の中間点が見つけられるようになっていくのかなという気がする。

さて、この日は(この日に限って?)すんなりと「せんせいさようなら~」とご挨拶して
スタスタ玄関に来たQたろ。A君はまだ大の字になって泣いていた。
ママはこの時もまだ途方にくれていた。

園長先生まで出てきてみんなでなだめようと必死になっている。
それを見ながら靴を履き、「Aくん、いっしょにかえろ」と誘って
お兄さんぽい態度。(おまえは誰だ~どの口がいうたぁ~)

カバンから電車のおもちゃを2つ出して「これかしてあげるから帰ろう」と
1つ渡したとたん、A君は「いらない~!」といって投げた。

うう、かなり重傷だわ。

ショックで唖然としてしまったQたろ。
電車は好きじゃなかったのかねぇ・・と、どうフォローしていいもんか困る大人達。

A君は先生方にもう一度園内に連れて行かれてしまった。
ママは外で待ち状態のところお先に失礼してしまったので
その後どうなったかわからない。

思うに、あんなに荒れていたのは単に寝グズだったのではないだろうか。
赤ちゃんばっかりじゃなくてたまにはボクのこと見て!のサインというか。
ママは、小さい赤ちゃんの方を先生に託して、
A君を抱っこしてあげるべきだったような気がする。

子供の気持ちと親の都合に折り合いをつけるのは
難しいなぁと思った出来事だった。

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このページは、hirocが2009年8月15日 10:57に書いた記事です。

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